記念すべきお店紹介1号は、「株式会社寺尾」 代表取締役 寺尾進一 様と専務取締役 寺尾龍 様にお会いしてお話をお聞きすることが出来ました。
「人」に「地域」に寄り添う姿勢が、本当に素敵なお二人でした!

1、養鶏場からの事業転換
2、「寄り添う」ことで地域に根付いた賃貸業
3、「LIVE IN THE COUNTRY」
4、今後の展開
5、あとがき


養鶏場からの事業転換

「ニコイチ」:
それではよろしくお願いします!
まずは「株式会社寺尾」様のルーツについてお話を伺っていきたいと思います。創業はどんなきっかけでいつ頃ですか?

株式会社寺尾

代表:
もともと、先代が養鶏場を営んでおり代替わりをしたタイミングで事業の多角化のために株式会社化しました。平成13年9月創業になるので22期目になります。
その頃、旧三好地区には賃貸物件が極めて少なく「これはチャンスだ!」と思い、賃貸を始めてみたところすぐに満室になり受け皿がないだけでニーズはあることがわかりました。JTで勤めながらだったので少しずつではありますが、ニーズに合わせて増やしていき現在は200戸強にまで増えました。約半数は三好市と東みよし町にあり残りは徳島大学蔵本周辺の物件になります。


「ニコイチ」:
養鶏場から賃貸業とは全くの新たなチャレンジですね!
ここまでうまくいったのには何か秘訣があるんでしょうか?

代表:
地元の物件は殆ど直接契約・直接管理体制で運営しています仲介業者を介していないので、仲介手数料ゼロのうえ、保証料や更新手数料も必要なく初期費用が安いことが強みだと思います。
またお客様に寄り添うことが我が社のコンセプトなので、入居者様に「安心」「快適」「信頼」を提供する最良のパートナーでありたいと考え、24時間トラブル対応や「軽トラ」その他何でも無料で貸出しております。入居者さんへは結婚・出産などのお祝いごとなどもさせていただくなど身近に感じていただける距離感を大切にしています。また、シングルマザーや身寄りのない独居の高齢者の方など一般的に賃貸契約にハードルの高い方に関しても出来るだけお受けするようにしています。
設備的には当社の物件は今やライフラインの一つとなったインターネットを無料にしたり宅配ボックスを導入するなど時代に則した住環境を整えてきました。

株式会社寺尾物件


寄り添うことで地域に根付いた賃貸業

「ニコイチ」:
私自身も離婚後、シングルマザーで子供と3人の住居探しに苦戦した経験があります。東みよし町は高齢化も進んでいますし身寄りのないお年寄りも多そうですね・・・そんな立場の人には本当に嬉しいですが、会社としては受け入れるリスクはないでしょうか?

代表:
ありますね(笑)。しかし、それよりも困った人に寄り添いたいという思いで今までやってきました。東みよし町ではシングルマザー向けの公営住宅がなくなり、住むところに困っている人がいます。家族が都会へ引っ越して、1人で暮らす高齢者もたくさんいます。生活保護の方も・・・。そんな人に寄り添うことは、仲介業者を介さない直接契約の体制である私たちにしかできないことです。身寄りのないおばあちゃんと保証人になってくださる方を車に乗って一緒に探したこともありました。今後は、シングルマザー向けにシェアハウスも作ってみたいですね。いわゆる生活弱者に積極的に寄り添うスタイルで経営してきましたが、今まで「滞納」「夜逃げ」「孤独死」などの大きなトラブルもなくこられました。

「ニコイチ」:
トラブルがないのも入居者さんお一人お一人への想いがしっかり伝わっているからこそではないでしょうか・・・「人」を大切にする代表の人柄と今までこの東みよし町で積み重ねてきたものの大きさとあたたかさに胸が熱くなりました。

代表:
ありがとうございます。ここまで成長できたのは妻のサポートと心配り、アイデアがあったからこそなんです。水回り修繕や網戸張りなど何でもできる妻には感謝の気持ちでいっぱいです。今は、それに息子夫婦も加わりさらに心強くなりました。ただ今後は人口減少も進んでいくでしょうし、地元の物件で今のような98%を超える稼働率を維持していくことは現実的に困難だと思います。リスク分散させるために徳島市内の物件で利益を上げる仕組みをとっていますが、それでもバトンを受け継ぐ専務の時代は本当に大変になると思います。それを見据えてLIVE IN THE COUNTRY」というコンセプトを掲げ「移住」「地元活性化」「SDGs推進」などの賃貸業に関連付けたいろんな取り組みを社内外でしています。


「LIVE IN THE COUNTRY」

「ニコイチ」:
東みよし町で多くの人々の暮らしを支え、地域をリードしている「株式会社寺尾」様、素晴らしい会社ですが・・・専務が受け継ぐバトンはとても大きいですね。

株式会社寺尾専務取締役寺尾龍

専務:
そうですね、そこを考えて一昨年脱サラし大阪からUターン移住しました。それまでは漠然と「40代くらいになったら帰ろうか」と思っていたのですが、帰省の度に故郷東みよし町の変化を肌で感じて危機感を持ち、さらにコロナを経験したことでいろんなことを考える時間とキッカケができ、地元東みよし町が「人口減少化が進み手遅れ状態になる前に」「打てる手があるうちに」という思いで妻と一緒に帰ってきました。
代表も先ほど話していましたが、少子高齢化が進んでいるため人口減少は止まりません。そのために「LIVE IN THE COUNTRY」です。この町の未来のために移住促進は必須になります。私にようなUターン移住も含めて、全く東みよし町に縁のない方々にも東みよし町を選んでもらえるように魅力ある町にしていきたいですね。

「ニコイチ」:
具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

代表:
「東みよし町空き家対策協議会」や「移住コーディネーター」として移住希望者と地域の橋渡しの役割を担ったりしています。また、移住に繋げるためにはまずは東みよし町に訪れてもらうための環境整備も必要ということで、町からの依頼があった「ファミリーロッジ旅籠屋 吉野川SA店」を7年前にオープンさせ、ホテル事業という東みよし町に今までなかったコンテンツで、周辺の観光産業を支える役割も担うようになりました。

専務:
私個人では同時期に地域おこし協力隊としてUターンで帰ってきていた山口さんと話す機会がありまして、同世代で「地域活性/移住促進」というキーワードが一致したこともあり、活性化のキーとなる地域のリーダーを創出するコミュニティ拠点として「CO-MORI(こもり)」を立ち上げ活動を始めました。今は1プレイヤーとして趣味のボードゲームイベント等を行っていますが、ゆくゆくは株式会社 寺尾として事業を行いたい方へのテナントや住居のあっせん等も行っていければと考えています。

「ニコイチ」:
確かに、東みよし町の活性化には若い世代が交流するコミュニティー作りは必須課題ですね

専務:
そうですね、若年世代や子育て世代・移住者にとって居心地のいい町であることが大切です。なので父の代から地域おこし協力隊や移住で東みよし町に来られた人とは、仕事とは関係なくご縁があれば積極的に交流を持つようにしています。「友達・仲間作り」は大切なことですが、コミュニティーが少ない田舎では特にそれが難しい。自宅でバーベキューを企画したり、趣味を通じて人が集まるコミュニティー作りを支援したり、移住者が孤立しないようにたくさんの人と繋がれるようにと公私を通じて様々な機会作りをしています。

「ニコイチ」:
移住がゴールではなく、移住者が心地よい暮らしを東みよし町でできるように見守っているなんて、「安心」「快適」「信頼」を提供する最良のパートナーでありたいという会社のポリシーそのものですね。


今後の展開

「ニコイチ」:
では最後に「株式会社 寺尾」様の今後の展開を教えてください

代表:
賃貸業を活かして田舎で暮らしたい移住希望者の受け皿として空き家を有効活用したり、地元の方々の交流の場として地域活性に役立てるなどの取り組みをしています。IターンやUターンで地元に人が戻ってきてくれるようにすると共に、東みよし町内の企業を元気にしていけるように共に盛り上げあっていきたいと思っています。
東みよし町の弱かった観光ビジネスにも取り組んでいきたいですね。


あとがき

時代は変化していく・・・それを見据えていち早く行動に移し地域のために長年貢献されてきた「株式会社 寺尾」様。思いやり深くアクティブでクリエイティブな代表の進一様、堅実で穏やかな専務の龍様、キャラクターの違うお二人は親子でありまた良きパートナーに見えました。
「人に寄り添い・地域に寄り添う」そのスタイルは私自身見習うことしかなく、成功された所以を見せて頂いたインタビューでした。東みよし町の人々の暮らしを温かく見守りながら、これからもずっとリーディングカンパニーとして東みよし町を牽引して行って欲しいです。そしてそんな背中を追いかけてきっと新しい人や会社が育ち、共に東みよし町を盛り上げていくと信じています。
インタビュアー : ニコイチ 編集長 エグチ エミ

会社情報

株式会社 寺尾

〒771-2501 徳島県三好郡東みよし町昼間392-1
TEL / FAX 0883-79-2095
MOBILE    090-1573-6228
E-MAIL     terao-miyoshi@hop.ocn.ne.jp
HP http://www.terao-miyoshi.com/

株式会社寺尾

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