エグチ:
みなさん初めまして!「ニコイチみよし」編集長のエグチです!
記念すべき第1号の人物紹介は・・・
Uターンして地元発展のために活躍中の東みよし町地域おこし協力隊の山口大地さんにお話を伺いました。

1、プロフィール
2、ちょっと変わった子供時代
3、「世界一の人財・育成のまち」
4、ブレずに信念を持って進む
5、今後の展開
6、あとがき

ちょっと変わった子供時代!?

エグチ:
まずは、東みよし町の地域おこし協力隊になった経緯をお聞かせください。

山口さん:
小学校の頃から、こんなに素晴らしい地元を離れてゴミゴミした都市部に多くの人が流れ出てしまうことに漠然とした疑問を感じていました。中学校の頃にはそれがさらに発展し、地元の素晴らしさを外に売り出していくような夢を描くようになりました
そのためには一度都会に出て学ばねばならないと、高校は徳島市内の学校を選び一人暮らしをしながら勉強に励み、横浜の国立大学に進学することが出来ました。そこからリクルートに入社し短期間で多くの学びと経験をさせていただきながら、並行して地元に帰る準備を進め、地域おこし協力隊として東みよし町に帰ってきました。

エグチ:
中学生から地域おこし協力隊にマッチした夢をお持ちとは・・・でもそんな小さな頃から地域課題と向き合う壮大なビジョンを持つ子は田舎においては稀ですよね・・・

山口さん:
幼少期からリーダーの役割を担うことが多く帰属意識が強かったのだと思います。そのため地元東みよし町が今後迎えるであろう多くの課題に対しても他人事と思えず、「自分が何とかしなければ!!」と漠然ながら思っていたのだと思います。
また、両親の影響も大きかったと思います。両親は地元にいる幼少期から目線を都会に向けることや、実際に都会に出て学び経験することを勧めてくれる人でした。また自ら感じ考え行動する力を養う環境においてくれていたため、早いうちから明確な目標を持ってそれに向かって努力し進むことができました。

エグチ:
帰属意識が希薄になりつつある世代でありながら、リーダーとして自ら考え行動する経験を幼少期からたくさん積んで来たことが大きいのですね。
またご両親も素晴らしいですね。同じ親として見習いたいことばかりです。

山口さん:
両親の話をするとみなさんに驚かれることも多いので、両親には本当に感謝しています。
東みよし町は都会に比べてないものばかりが注目されがちですが、いいところが沢山ある町なんです。「人が魅力」という話を先ほどしましたが、わかりやすいところで、都会の人たちが忘れている「挨拶」もちゃんとできる子が多いです。希薄になりつつある人間関係の中でも「人を育てる」文化がちゃんと継承されていますだからこそ、優秀な人材が「地元でも育つ」「地元に戻ってくる」仕組みを作っていければと思うのです。

「世界一の人財・育成のまち」

エグチ:
そんな山口さんが3年間という限られた任期の中で地域おこし協力隊としてやりたいことは何ですか?

山口さん:
東みよし町は近隣地域のような観光資源に恵まれていません。しかし、真面目で穏やかな人が沢山いらっしゃいます。この地域の強みは「人」です。
しかしながら感度の高い人やいい人材から順番に、早々と地元を離れていくのがずっと続く東みよし町の現状です。この町ではいい教育と周囲を導くようなリーダーに出会うことが難しいからです。だからこそ急務なのが「人材育成」です!リーダーになる人がこの町で未来のリーダーを育て、バトンタッチしていく・・・これには長い時間がかかります。だからこそ今始めなくてはなりません。その頃にはきっと私はおじいちゃんになっていると思いますが笑

エグチ:
確かに「人材育成」の先には、都市部のように行政だけに頼らずに民官両輪で地域を支え合えるカタチが見えてきますね。具体的にはどのような取り組みをしているのですか?

山口さん:
世界一の人財育成を実現させるためには、教育、そしてコミュニティの活性化が重要と思い、活動を通じ共感してもらえる人を増やしています。
昔ながらのつながりの強い地域コミュニティには新たに加入する若い人は減っています。そこに加入することに意義を見出しにくい方が多いからです。そのため地域の担い手の不足やつながりの希薄化が進んでいます。地域の公民館や交流センターもうまく機能できていないのが実情です。

エグチ:
確かに・・・自治会とかできれば入りたくないと思ってしまいます。そこが楽しい場所ならいいんだけどなーー。

山口さん:
そうなんです多くの若者がそう思っていて、特に若者だけの世帯や移住世帯は孤立化しやすい。そこで築約170年の古民家を活用したコミュニティ拠点「CO-MORI(こもり)」を作りました。
都市部のように地域の中に自分の趣味や好きなこと・得意なことを活かした、新しい形のリーダーをどんどん排出したいと思い、今はボードゲームや料理など通じて人が集まるようになりました。好きなことが軸だと、主体的に関わることができ、それが僕がそうだったように帰属意識を育みリーダーになるきっかけに繋がると思います。そんな大人達を身近に見ることが次世代のリーダー育成の近道になると考えています。
地域のコミュニティを活性化させるために障壁となるのが「お金」の部分。そこで「わかよし」という仕組みを役場職員さんと一緒につくりました。わかよしとは、補助金を活用したい団体にそれぞれプレゼンテーションしていただいて、そのプレゼンテーション中で良かったものに対して町が補助金を出すというものです。これを通じて地域活動の活性化にも繋がると思っています。

エグチ:
交流を通じて様々なリーダーが育ち地域を支えていく、目標を共有していく仲間が増える明るい未来が見えてきましたね!

ブレずに信念を持って進む

エグチ:
実際に1年半、地域おこし協力隊として活動してみてどうでしたか?

山口さん:
多くの地域おこし協力隊の方が着任後すぐにぶつかる壁が、地域の現状把握だったり地元の人との関係作りなんですが・・・私にはUターンの強みがありましたので、人の繋がりで比較的スムーズにそのあたりはクリアできたと思います。
私の場合は地域おこし協力隊の応募の際に、東みよし町でやりたい事のビジョンがハッキリありました。そこを地域の皆さんや町とすり合わせて進めてきた感じです。

エグチ:
地域おこし協力隊という立場上、地域の人に活動を理解してもらい、納得して頂ける形でなんだかの結果を残す必要があると思うのですが、プレッシャーはないですか?

山口さん:
今までの多くの先輩方がそうだったように、なかなか短期間で全ての人に理解・浸透というのは難しいと思います。ただ、信念を持って続けてきたことを見てくれている人はいて、興味を持ってくれたり評価してくれることも増えましたまだうまく全容が伝わっていなくても、まずは興味を持ってくれて向こうからアクションを起こしてくれる方も増えてきたので、手応えは感じています!
私の最終ゴールはとても時間がかかるものなので、まずはこの地域の中で人が集まる場所や機会を作っていくことから始めていくことが大事だと考えます。

今後の展開

エグチ:
では最後に山口さんの今後の展開を教えてください

山口さん:
地域おこし協力隊には任期があり、たった3年間でできることは限られていると感じています。なので後任の方のサポートはもちろん必要だと思います。私自身も自事業、社団法人の取り組みなどいろんな方面から仲間を増やして引き続きこのプランを継続していくつもりです。この町の抱える問題は、長い時間をかけて取り組む必要があるものだと思います。「東みよし町を世界一の町にする」という目標に向かい頑張ります!

あとがき

27歳なんてとってもビックリな貫禄のある山口さん。いろんなお話を伺いましたが、その中に一貫してブレない強い信念を感じました。子供の頃から夢見ていた「東みよし町を世界一の町にする」という目標に向かってブレずに着実に階段を登っている人だからだと感じました。
自身の幼少期の経験から「環境が人を育て 人が町を作る」ことを知っているからこそ、この町の為に一番必要なのは「人材育成」だと考え、それを見据えたコミュニティー作り。東みよし町のたくさん抱える課題の解決に向けて真剣に考え抜いてきた山口さんだからこその答えだと思いました。
山口さんなら地域おこし協力隊の任期満了後もきっと継続して、今まで以上に東みよし町の未来ある子供達のために尽力してくれるはずです。そして山口さんが蒔いた種たちが10年後20年後の東みよし町を変えていってくれるでしょう。これからの山口さんの活動と東みよし町の子ども達の未来から目が離せませんね!みなさんもぜひ巻き込まれてみてはいかがでしょうか?きっと新しい「東みよし町」と「自分自身」の魅力に出会えるはずです。
インタビュアー : ニコイチ編集長 エグチ エミ

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